☆とあるお正月、地元の百貨店の地下通路のベンチで休憩していた。そこを通りかかった中学生男子二人組。一人が鞄から空のペットボトルを取り出し「ぜんぶ飲んじゃった…。」と相手に見せた。見せられたほうはさっそく鞄をごそごそし、自分のペットボトルのお…

☆十年ほど前の話である。市中心部の横断歩道を渡っていたところ、男子高校生らしき声で「もーえー！！」と叫ぶのが聞えてきた。どうやら自転車を飛ばしながらのようだった。その場で膝小僧靴下（いわゆるニーハイ）を着用していたのは私ひとりだったから、も…

☆私の母は幼少のころエクソシストのお世話になったことがある。普段は食の細い彼女が、食べても食べても強烈な飢えを感じてひたすら食べ続け、その様子を不審に思った彼女の祖母（つまり私の曾祖母）が知り合いのエクソシストのもとへ連れて行ったのだった。…

☆女子高生のＡ子ちゃんとＢ子ちゃんが雑談していて、Ａ子ちゃんがＣ子ちゃんの兄をさりげなく「アーニー」と称していると、Ｂ子ちゃんが「Ｃ子ちゃんのお兄ちゃんて外人なの？」と真顔できいたという話をＡ子ちゃんがしていたのは30年ほど前になる。私がＡ子…

☆田舎暮らしをしていたコドモのころのこと、自宅の正面からまっすぐ延びる道路の行き止まりに養豚業を営む同級生のＹ君の家があった。 ☆ある日、Ｙ君宅の屋根の上をおびただしい数のカラスがぎゃあぎゃあ鳴きわめきながら飛び回るのが見えた。ときおり変な音…