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用務員さん24時

幼年時代

☆私が通った保育所には、ひよこ組(3歳児)、りす組(4歳児)、ばんび組(5歳児)、きりん組(6歳児)の各教室、コドモたちが体を張って遊ぶおゆうぎ室、それに用務員さん一家の暮らす部屋があった。用務員さんのお子さん、私よりひとつかふたつ年上の女の子Mちゃんも保育所に通っていた。

☆用務員さんの部屋は廊下に面した小上がり状で、上半分が素通しのガラスの引き戸で区切られただけだし、よく開けっ放しにもされていたから、そこを通りかかると用務員さん一家の暮らしがどうしても目に入ってしまう。家族そろって朝ご飯を食べている場面、保育所や学校へ行く準備をするコドモたちの様子、それを手伝う用務員さんの奥さん。いま思いだしても不思議な光景であるが、当時も不思議だと感じていた。よそ様の生活がテレビのドラマのような角度から簡単に見えてしまう罪悪感もあったし、不思議なものを見たいという後ろめたい好奇心もあった。私のことだから、たぶんじろじろ見ていたのではなかったか。

☆むかしは当直や日直という制度が一般的だったのか、小さいころ、土曜の夜に父に連れられ勤務先の宿直室に泊まったり、日曜の昼間は事務所で一日過ごしたりしたことがある。もしかしたらそういった事情で保育所の用務員さんは住み込みだったのかもしれない。

☆それにしても、保育所で暮らし保育所に通ったMちゃんは、朝、一歩も外へ出ることなく保育所に出席するわけだが、それに関して彼女はどう感じていたのだろう。単に「便利でいい。」と思っていたなら幸いである。

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