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田舎は性犯罪のパラダイス

☆田舎は性犯罪のパラダイスである。コドモからオトナまで、性別が男でありさえすれば24時間すけべヅラをしていてもとくに問題視されないし、ひとの目を盗んで猥褻で卑劣な行為におよんでも「あいつはすけべ」と噂される程度で済む。あの土地の性的なからかい、あるいは性犯罪の主な対象は幼い女の子ではなかったか。私の故郷の景色はため息が出るほど美しいが、ひとは醜い。

☆私の育った田舎町は少し特殊な環境ではあった。が、とにかく性的な事象が横行していたと思う。なんというか、性に対して貪慾な感じなのだ。娯楽のない田舎では性全般と人間関係のもつれが日常の娯楽だったのかもしれない。

☆まだ小さいころ、自宅前の横断歩道を、バイクにまたがった二人の若い男に「いやあ、いやあ、いやあ、いい女、いい女。」と野太い声でからかわれながら急いで渡ったことがある。田舎だから目撃者もない。助けてくれるひとも、もちろんない。そのとき私は、母の趣味でおぱんつが丸見えのスカアトを着用していた。幼いながらに恐怖と屈辱を味わったのだった。

☆小学二年のときだったか、通っていた珠算教室から何の前触れもなくひと気が消えたことがあった。ノックをしても返事がない。結局、珠算教室の廃止をなぜか私だけが知らされていなかったのだが、何も知らない私はバカ正直に玄関前で待つことにした。待ちくたびれたので玄関の引き戸を背にしゃがみこんでいると、いくつか年上の知らない男の子がひとり、声をかけてきた。はじめは普通にやりとりをしていたが、突然、相手が私の着衣の股間に手を突っ込んだ。私は驚いてすぐさま立ち上がり相手の目を見ると、うすら笑いを浮かべ、なにかひとことふたこと言って去っていった。

私はこういう場面で悲鳴を上げられない人間である。家庭の環境もあり、ひとに対して恐怖心のようなものを持つことも少なくなかった。そういう中で起きた「事件」だった。

このことは、もちろん誰にも話せなかった。初めてひとに話したのは三十歳に近くなったころ、ようやくできた同性の友人数名にであった。友人のひとりによれば、私は狙われやすいタイプのコドモとのことだった。

☆住む場所が変わりオトナになっても「狙われる」日々はずいぶん長く続いた。しかし、どう考えても、いや、考えれば考えるほど、わるいのは「狙う」ひとのほうなのだ。すけべ、死すべし。