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性根の醜い男は

☆老人になったからといってよいことは何ひとつない。

唯一、性的な目で見られずに済むようになったことが救いである。もう通りすがりのAVのスカウトに「暇だからセックスしよう」と誘われずに済む。

☆なにしろやつらは暗がりで脚を見るのだ。中肉で短いO脚の素足を。ということは、脚の形がどうこうでなく、脚を出しているか否かが問題だったのではないかといまにして思う。脚を見るやつらは「今宵、一発やれそうか?」と物色していただけなのかもしれない。旅行客が行き交う場所に住んでいたこともあって、ケツが軽そうでバカそうな単独行動の女を探して簡単にやり逃げしたい男は少なくなかったろう。何度か尾行もされて、わざわざ遠回りして巻いたり、頭にきて喧嘩を売ったこともあった。だが私は最終選考(=顔の審査)で落されることがほとんどだった。顔が醜いのは嘆かわしいが、こういう不合格には感謝せざるを得ない。醜い私でもこうなのだから、姿かたちのよい優しげな女のひとはどんなに大変な思いをしていることかと背筋が寒くなる。じっさい、自宅前でしつこく誘われて逃げるのに苦労した話を聞いたことがあるが、外出するだけでそんな目に遭うとは、ひどい話である。

☆私の脚をじろじろ見たバカなやつらは、ひどく醜い外見の男ばかりだった。おまけに後ろめたそうな卑しい目つきをしていた。顔は醜いが堂々と脚を出して歩く私は、内面まで醜い彼らにふさわしかったのかもしれない。