生まれてきたのが運の尽き

☆この世に生まれてきたことに関しては、たいへんな貧乏くじを引いてしまったと後悔している。 製造元に対しては「なんてことしてくれたんだ」の一言に尽きる。もちろん私は子孫など製造しなかった。「人生」というものをお勧めできないし、自分の面倒も見き…

背中のチャックの話

☆ひとの背中には架空のチャックがあるとつねづね考えている。 ☆チャックを開けると3歳の自分や4歳の自分や5歳の自分、小さい自分が、オトナの形をした着ぐるみの体からわらわらと出てくるのだ。それら各年齢の自分をぜんぶ足すと現在の年齢になる仕掛けで…

「うち」のひと

☆世間のひとがよく使う言い回し、うちの学校、うちの先生、うちの会社、うちのお母さん、等々々々。 「うち」とは、自分が暮らす、或いは暮らした、または生まれた場所(都道府県、市町村など)、親兄弟、親戚、勤め先、学校など自分が所属する何らかの集団…

出血と流血

☆「出血」は止血しなくてはいけないもので、処置したあとは安静にしたりもする。周りの人は大なり小なり心配する。 ☆それとは逆に「流血」にはどこか楽しそうなニュワンスがつきまとう。プロレスでは血が流れると会場のファンは心配するどころか逆に大いに盛…

黄昏どきの黄色

☆15年ほど前に見た、夕刻の大田黒公園のイチョウ並木は忘れられない。時間の流れを遅らすはたらきがあるのかと思うくらい、黄昏どきの黄色は魔法のようにそこだけ明るく見せるのだった。 ☆小さいころ、私は祖父の晩酌に同席する習慣があった。祖父は酔うと機…

性根の醜い男は

☆老人になったからといってよいことは何ひとつない。 唯一、性的な目で見られずに済むようになったことが救いである。もう通りすがりのAVのスカウトに「暇だからセックスしよう」と誘われずに済む。 ☆なにしろやつらは暗がりで脚を見るのだ。中肉で短いO脚の…

はじめに

☆ほんとうは別の形でのブログを計画していたのだが、私がぼんくらなせいで単純な作文ブログにすることにした。それでも晩年のたしなみとして遺言を遺そうと思う。 ☆私はまだ本格的な老人ではないが、老年期の始まりを感じている。ごく若いころから常に死を意…